さくともの、のたりのたり日記

ベビースリングを広めるのが目的で始めたブログですが食べ歩きや雑貨屋めぐり~ウチ食・うち呑みなどの備忘録に移行中。

山口弁よもやま話(学習会)

一昨日は今年度はじめの家庭教育学級でした。

今回は役員ではないものの企画会議だけ参加して候補を出していくようになり、初回も私が提案&推薦しました。

というのもタイムリーに大河ドラマ「花燃ゆ」が放送中で、かつ「ほいとの意味」をはじめ山口弁を間違った使い方をしている方が意外と多く、それがそのまま育児中の子どもたちに伝わっているのを実感していたので、今回はじめて防府市立図書館の森川館長さんにご講演を依頼してもらいました。

私自身、山口弁がどれなのか、はたまた正しい山口弁を知る意義を感じているわけでもありませんでしたが、ただ間違ったことを子どもに伝えていくことには抵抗があったので、2年前の体験から、いつかお願いしてみたいと思っていました。

そういうわけで「花燃ゆ」は単なるこじつけに過ぎません。そしてブログではドラマ「花燃ゆ」のセリフについては一切ふれませんが、一昨日の講義のなかではとても興味深いものが多く、私自身かなりスッキリしました(それまで違和感があるなぁ~、何故だろう?と思っていた事柄すべてに納得がいきましたので)icon14

さて今回もキーワードや教えてもらったことを羅列します。

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●山口弁の特徴について

・山口弁のアクセントは基本的には東京式。ただ個々の単語は必ずしも標準語とは一致せず。

・[ӕ:]=a+e =アェーという連母音(れんぼいん)融合が多くあり、英語に近しい発音が多い。

 

 [ӕ]の単語は例えば、hat,map,banana,cat など。

 [ӕ:]のある山口弁といえば例えば、アカェー(赤い)、テマェー(手前)、カェール(帰る)など。

・山口弁のNativeSpeakerさんは、英語の発音もお得意なはず!?

・現在の子どもたちの間ではほとんど見受けられない。

確かに私自身、曾祖母や祖母がよく使っていた印象があるものの同級生でこういった使い方をするひとは一人しか思い当たらない。

・文末に付けて念押しや強調の意味を表す助詞=い,いね,いの,いや,ちゃ,で,でね,での,でよ,ど 等。

・形容詞の連用形= なくて→ノーテ 、嬉しくて→ウレシューテ (ウ音便化が一般的)

・強意の副詞「ぶち(=非常に、すごく、とても)」は、1960年代後半頃から急速に若者の間で広まった、新方言

もともと「ぶち殴る」や「ぶち蹴る」など特定の同士だけに付く強意の接頭語だったはずが、一部で副詞として誤用されて普及したもの。

◎各地の「強意の副詞」新方言は、次の通り。

宮崎=てげ

大分=しんけん

福岡や長崎=ばり、ちかっぱ

関西=めっちゃ、むっちゃ

名古屋=でら

北海道=なまら

静岡=ちょう →→→ 後に全国区になり今でも「ちょう~ウケルぅ」などと使われている。

●方言周圏論について

・昭和のはじめに、民俗学者柳田國男氏が「蝸牛考(かぎゅうこう)」という論文のなかで『方言周圏論』と名付けたが、すでに江戸時代に本居宣長賀茂真淵も考えついていたという説もあり。

蝸牛(かぎゅう)とはデンデンムシのことであり、どの地域で、かたつむり、デンデンムシと呼んでいるのかを分布図にして調査。

・「落ちる」の意味の「ほろける」という方言は、東北地方でも使われている。これは中央の言葉だったものが今や山口弁になっている典型であり、「方言周圏論」に当てはまる。

ex. 鮭・・・サケ(新)とシャケ(古い発音の名残り)、雑魚・・・ザコ(新)とジャコ(古)、サボテン(新)とシャボテン(古)

いずれも使い方は同じであり、どちらも正しい言葉。

・山や川の地形、江戸時代の藩の分割具合、海上交通の影響、明治以降の都市や交通の発達に伴う人々の交流により、必ずしも全ての言葉が「方言周圏論」に当てはまるとも限らない。

・メディアの急速な発達により、地方の若者ことばや方言が、中央に逆流していく現象もあり。例えば、静岡の「ちょう」など。

●「ザ・ゼ・ゾ」がダ行音化することもある。

例えば、銭(ぜに)→デニ、風(かぜ)→カデ、善機(ぜんき)→デンキ

善機=頑固、意地っ張り、片意地の意味。本来、仏の正しい教えを修業しようとする性質・能力、またそのひとの意を洗わず仏教語。

●終助詞の「い」

動詞の連用形に念押し・強調の意を表す山口弁の終助詞「い」が付くと、比較的ていねいな命令の意を表す。

ex. はよー行きい=はやく行きなさい、よー見い=よく見なさい、はよー食べい=早く食べなさい

これらの「い」には、さらに終助詞の「よ」や「ね」を伴い、「行きーよ」や「行きーね」と使われることもあり。

●山口弁「それ」

標準語の「そう(然う)」にほぼ相当する意の山口弁「それ(其れ)」があるが、標準語「そう」よりも更に強調する気持ちが込められている。

ex. それかね=そうなの、それそれ=そうそう、それっちゃ=そうなんだよ、それいね=そうなのよ

cf. それいね(山口弁)←→それいゆ(イラストレーター・中原淳一が編集長の季刊誌)

●たう

・語源は「手(て)」で、古代の日本語では、手は「た」と発音していた。

・たう=手が届く、手が達する

・手折る(たおる)、手綱(たずな)は奈良時代より以前からある言葉。

●山口弁特有の表現法

・自転車を突く=自転車を押していく、突き車=押し車

・布団を引く=布団を敷く 

→「七」や「質」を「ヒチ」と発音する人が多いのとも通ずるものの、敷布団や敷布を引き布団や引き布とは言わない。

・梅雨が上がる=梅雨が明ける ・・・「雨が上がる」のと同じ発想によるもの。

●強意の接頭語、補助動詞

・さで・・・さでくべる、さで込む、さで捨てる、さで出す

・ちち・・・ちち破る(ひち破る)、ちち投げる

これだけは余り聞き覚えがないような~「ひち破る」のほうがまだ祖母が言っていたような記憶あり。

・とり・・・とり捨てる、とり飲む、とり飲む

・ぶち・・・ぶち破る、ぶち殴る、ぶちめぐ(壊す)

・あげる・・・どつきあげるでよ、歌いあげる、笑いあげる

●はぶてる

「はぶ(歯茎)」というのは中四国地方などの方言。江戸時代の中央後では「はぶし(歯節)」と言っていた。

『いーーだっ!』をする時に歯茎を出すところから。今でもオランウータンなどが歯茎を出している様子を観ることがあるが、それと同じ!?

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今回はじめて講師として家庭教育学級に来て頂いた森川信夫さん、毎週木曜日の朝7時29分~〕5分だけKRY山口にご出演中。

つまり、今日です。今朝デス!

朝7時に起床してしばらくしてからご自宅の電話にて生放送とのこと。

昨年3月までは、NHK「情報維新山口」に4年間レギュラー出演なさっていらしたそうで(夕方にニュース番組を観たことがほぼないので観てみたかったなぁ~)。

またNHK歴史秘話ヒストリア」の『“奇兵隊”デビュー! ~幕末 若者たち一発逆転の夢~』のときの方言指導・考証をご担当。

今回は開校式の後ということもあり講義そのものは1時間でしたが、とても内容の濃い~ひとときでした。次回はせめて1時間半は聴いたり質問する時間があればなぁ~と思いました。

そもそもウチではアクセントが異なる言葉が多くて、京丹後弁なのか(京都府とはいえ兵庫県に近いような気がしています・・・)山口弁、関西弁、標準語なのか・・・よく家族みんなが「どれが正しい?」という話になっています~icon47

ほんとうに興味深いです、方言や言葉のアクセント。

また別のテーマでもお聞きしてみたいです♪

さて今日も日が昇ったらプランターの植物をチェックしに行きます。どうも今年は赤アブラムシと葉ダニがこれまでになく多いような・・・水攻めも牛乳でやっつけるよりも、シンプルに手でつぶしていくのが一番だと知り、丹念に葉裏も観ています。

そのなかで久しぶりにプチトマトそばに植えたバジルがこれまでになく縮み葉になっていて・・・栄養が行きわたっていないのでしょうか。トマトとバジルは一緒に植えても相性が良いはずなのですがicon10

トマトソースのパスタに、ナスタチウムの実と一緒に乗せてみました。

バジルは大丈夫なのですが、ナスタチウムの葉裏には葉ダニがつくこと、多しですicon11