芳松庵(ほうしょうあん)
一昨日は朝イチで「友の会」の年に一度のイベントに出かけて、それから10時過ぎには防府天満宮へ移動。次の予定まで時間があったので、初めて芳松庵(ほうしょうあん)に上がらせて頂きました。
菅原道真が11歳の頃に詠んだ句を表した場所。
「月夜見梅花」
月耀如晴雪
梅花似照星
可憐金鏡転
庭上玉房馨
「月の夜に梅の花を見る」
月の光は晴れた日の雪のようで
梅の花は輝く星に似ている
なんとすばらしいことだろう
黄金色の月が移動するにつれ
庭では白い梅の花が香ってくる
廊下をそろりそろりと歩いて行きながらガラス窓を観やると、昼間の月が浮き上がり、ちょうど咲きほころんでいる白梅やツボミが星となってキラキラ見えました。夜だともっと幻想的な風景となるようです。
(一眼レフなどのカメラなら、星のように見える白梅も昼間の月も上手く撮れるかも!?)
この日はラッキーなことに、お花を生けにいらしていた方が色々と解説して下さいました。
いつも誰かしらおられるとのことでしたが、この日、作業の手を止めて解説して下さったのは、偶然にも池坊・田原社中にいらした方でした。とてもアクティブで魅力的な先生でした。わずか1年ぐらい教わっただけでしたが、田原先生のことを懐かしく思い出しながら話していて涙が出そうでした
そういえば一度だけ、お正月に大広間には来たことがあるような、ないような・・・。
右写真は、「赤い月」ではなく、「赤心片々(せきしんへんべん)」=こまごまとした真心。【禅語辞典より】
真心を込めて行なうということ、誠心、誠意を尽くすということ。
茶室庭内にある紅梅もまた道真公の句にちなんだ一場面を再現しているとのことだったかと。
暁天桜、茶室庭内では昨日より、「松下宏明、間鍋竹士 備前焼 作陶展」開催中で、明日まで。
間鍋さんは、今日と明日、在廊予定のようです
茶室(左写真)や芳松庵では、同じく昨日から明日まで「脇本定三、順子二人展」が開催中。
各所には見事な池坊流の生花があります。私が伺ったのは、ちょうど搬入前日でした。
菅原道真は茶道に詳しく、茶聖菅公と称せられたほどで、この茶道の関わりを後世に伝えようと、平成3(1991)年、神忌1100年を記念して、茶室芳松庵が建てられたそうです。
設計監督は、国立能楽堂なども手掛けられた、建築家・大江宏さん。
2階の間にあった「ねじり天井」もまた句にちなんで設計されたものらしいのですが、冒頭のようによくは覚えていないので、また解説してもらえた折に補足しようと思います。
それにしても、こころ落ち着く場所でした
これまでも子連れで敷地内には少し入ったことはありましたが、建物内をジックリ解説付きで観て回ったのは初めてでした。入場無料。おすすめです。