ほいとの意味
先月たまたま読んだブログで、「これからも、ほいと(食いしんぼう)ネタのブログを書いていきたいと思っています」といった内容の一文を発見!
(正確にどういった記述であったかは覚えておらず確認したかったのですが、いま現在、見当たりませんでした。)
へ? ほいとの意味に「食いしんぼう」というのもあるの??
「乞食」や「食べものに対して卑しい」という意味だけのはずだけど・・・
この方の記述によれば、私も「ほいと」ということになってしまうわけで・・・山口特有の言葉の意味があるのでしょうか?すぐにネットで調べてみましたが、そういった意味は見当たらず
唯一、北海道の方言として、「つまみ食いをする、盗み食いをする」という意味が紹介されているのを見つけたぐらいでした。
そこで、そちらのブログを書いていらっしゃる方に直接お尋ねしてみました。
「ほいと」には物乞いなどの意味しかないと思っていたのですが、山口では、どういった意味で使われることが多いのでしょうか?(私も高校卒業時までは防府に住んでいましたが)
すると、その方からのお返事は次のような内容でした。
「物乞い」などの意味があるのは初めて知りました。私の周りでは「愛すべき食いしん坊」の意味で使っている人たちばかりです。
えぇ~っっ!山口ではそういった意味で使われているのが一般的なの??
正直、カルチャーショックでした。
高校まで、ここ防府に住んでいましたが聞いたことがありませんでした。それで高校時代の同級生などにも聞いてみましたが、彼女たちも私と同じく「ネガティブな意味しか知らない」との返事でした。
私も小さい頃に、祖母から「それは、ほいとのすることじゃけぇ、やっちゃダメよ」と言われたのをよく覚えています。
そんな中、京丹後(京都府)出身の家人にも話してみたところ、「山口では当たり前みたいだよ。ツイッターではよくそういった意味で使っている人がいるから、てっきり山口ではそういう意味なのだと思っていたけど・・・」とのことでした。
さらに、ビックリです
そんなに当たり前に使われているの?
それとも私が離れていた二十数年間のうちに「ほいと」の意味が変化していったってこと?いや、もしかしたら(私の知らない)山口のある地域ではそういった意味もあるということなのだろうか。
そんな風に悶々としている最中の今月はじめに、ドイツワイン会がありましたので、そちらでも話題にして聞いてみました。
すると、広島でも他でもそういったのはないと思うけど~というのが大半でしたが、お一人だけ「つまみ食いをチョコッとする~みたいな可愛い食欲願望みたいなのを、そんな具合に使っているかもしれないよ」とのご意見がありました。
なるほど、「つまみ食い=愛すべき食いしん坊」で、ほいとの意味を使うようになったということ?
うーーーーーーーん、これは一つ専門家の方にお聞きしたほうがスッキリできそうだなと思った私は、先週ようやく山口弁にお詳しい方に直接お目にかかることが出来、真実を確認して来ました。
結論から書きますと、「ほいと」という言葉には、相手を侮蔑・さげすんだ意味しかないとのことでした。
それでも上述したような言葉の意味が、一部の地域である可能性もあるのでは!? と食い下がってみましたが、「本来、差別用語なので、それはまずあり得ないですよ」とキッパリ断言されました。
続けて、種田山頭火がかつて「ほいと坊主」と呼ばれていたことを例に出されました。
あぁ懐かしい・・・私もかつて祖母から、その話を聞いたことがあります。
そういう訳で、「ほいと」の正しい意味も分かりスッキリしたので、冒頭のブロガーさんにもお伝えしました。と同時に、このように私のブログに備忘録として書かせて頂くこともお許し頂きました。
(専門家の方からは「名前を出すのは勘弁して下さいね」とのことでしたので、教えて下さったことのみを記載しました。)
もしかしたら、ネット上で一時的にでも成立しているコミュニティ(会話関係)の中で当然のごとく使われているキーワードが、その場ばかりでなくネット以外の現実社会でも常用(公用)語としてまかり通っているのかもしれないですね・・・。
言葉は生きものであり、多分、家人がツイッターでよく見かけたという方々と私がたまたま読んだブログの方は、ざっくり同じようなコミュニティにいる方々なのではないかと想像しています。
これまでにも似たような思いで他の方のブログを読んだことはありますが、今回ばかりは、自分自身が「ほいと」呼ばわりされているような気分になり、かつ「ほいと」を本来の意味とはかけ離れたポップなノリで使われていることに違和感を覚えたので、思い切ってお尋ねしてみた次第です。
それより何より、今ちょうど長男が言葉の意味を頻繁に聞いて来るので、私が思っている言葉の意味が、ここ山口では通用しないのかと一抹の不安といいますか、アウェイ感みたいなものがあり、「郷に入ったら郷に従え」で気にしないで眺めていた家人より一歩、踏み込んでみました
家人のように、多くは黙って郷に従っていますが、こと言葉に関しては、これから身に付けていく子どもたちのためにもまずは、「?」と思ったら確認していく必要があると、日々、感じています。
特に、ここ数ヶ月は日に数回、「これって、そういう意味なの?」と長男から尋ねられるので、5歳同士の会話とはいえ、「それはお友達には使わないほうがいいね」と言葉を添えることもあります。
本当に、どこから聞いてきたの?という恐ろしいフレーズもあります・・・テレビの影響でしょうか?それとも親から言われた言葉をそのまま友達にも言って、反応を伺ってみているのでしょうか。
言葉は生きものであり、発する側ばかりでなく受け止める側によっても解釈が変わっていくので、子どもの言葉をそのまま鵜呑みに出来ないかもしれませんが、新たな言葉がどんどん彼らの中で息づき始めているのは確かなことなので、今回のことについては、ちょっと色々と考えさせらました。
最後に、面識のない私からのメールに、ご多忙のところ毎回丁寧に応えて下さり、かつ今回のことをブログにアップするのをお許し下さったブロガーさんに感謝しています。ありがとうございました
また山口弁について教えて下さった専門家の方にも感謝するとともに、今後また意味が気になる等の山口弁があれば、お尋ねしてみたいと思いました。貴重なお時間を有難うございました~
写真は、急に用意することになった昼食。ありものを並べたら、こんな具合に・・・
やっぱり食べることが好きなので、スリング<食べること、飲むことの比率の高いブログです~










