鬼の棲むこころ
昨日は午前中は一人で幼稚園に行き、昼食時に家族が集合したのも束の間、午後1時からは長男とふたりで防府アスピラートの講演を聴きに行って来ました。(これまでで一番の長文です)
講演は、長府在住の鬼の家 しの武(しのぶ)さんによるもので、タイトルは「ご縁あって」。
日本助産師会山口県支部主催でしたので、お産にまつわる話も勿論ありましたが、しの武さんが一番伝えたかったこと。
それは、ちょっとした声かけを身近な人にしてあげて下さいということでした。
しの武さんは、かつて、毎日のように「元気かい?」「ごはん、食べてる?」と声をかけてもらうことによってとても救われたとおっしゃっていました。そして、その方の存在がなかったら、もしかしたら私も先日の大阪の事件のように、子供二人を失っていたかもしれませんとも・・・。
そうなんですよね・・・私もその気持ち、分かります。
先月たまたま観たテレビ番組で、ある芸能人(彼女もまた男児一人を子育て中)が「虐待したくなる気持ちも分かりますと言ってる時点で、その人も虐待しているのと同じ」とコメントされていました。
虐待したくなる気持ちが分かるという、その思いの裏側(根っこ)にある孤独感は、育児中のママさんであれば何かしら、それに似たことは感じたことがあるのではないでしょうか。少なくとも、私や産後まもない頃から付き合いのあるママさんたちは感じたことがあります。なので、そこにまつわる感情の起伏が一番身近にいる子供に影響してしまうことも、身を持ってよく知っています。
さて話がそれましたので、講演内容に戻りましょう。
講演内容の大半は(あ、全部だったかな!?) しの武さんの半生についてでしたので、話をされながら涙を大きな目にいっぱいためながらという場面も何度もありました。そして聴いている側もハンカチを出して~という方も多く見受けられました。私はというと、流れ落ちないように必死でこらえながら(メガネで行って良かった~)時折、息子に気付かれていないかと確認したりしていました。
最後に、しの武さんが鬼の棲むこころについて語られた時に、あぁ私の中にもかつていたことがあったな~と思いました。そしてこれからまた息子とともに新しい社会(学校)に入っていけば、似たようなことはあるのかもしれないなとも。
でも、そんな鬼を叱ったり静めたりしながらでも、生きていくことが大事なのだと改めて思いました。
帰り道、歩きながら息子に講演について聞いてみましたら、いつもよく言う「退屈だった」が出て来ませんでした。そして涙声で話されていたのもよく分かっていたようでした。
本当に内容について理解できていたかどうかはさておき、1時間ちょっとの間、席から全く離れずに静かに聞いていたことを(最後のあたりは無言で椅子の上に立ちあがったりすることが数回ありましたが・・・)何度も褒めてやりました。
昨日がんばって私に付き合ってくれた長男は、今月末で4歳。
昨日の、しの武さんのお孫さんは(33歳でおばあちゃんになられたそうです)もう5歳。
しの武さんは私と年が近いようなので、もし5歳以降も防府(向島生まれ)在住でいらしたら同じ中学に通っていたんだな~と。
ちなみに、しの武さんの最初のお子さんをとりあげた助産師さんが、先日わたしに講演会のチラシを手渡して下さった方だったようでした。これもまた、ご縁あって、ですね。
近いうちに、功山寺の紅葉とともに、しの武さんのお店にも行ってみたいものです。
(しの武さんのお店は「トライアングル」の最新号でも紹介されているそうです。)
それから小学館の「edu(エデュー)」にて12月号より1年間、しの武さんのエッセイがイラストとともに連載されていくようです。ご興味のある方は是非ご覧になってみて下さい。
これも午前中の幼稚園で買ってきた、手作りチョコワッフル。